日本国内の少子化問題はこれまで全体の出生率という視点から考えられてきましたが、
日経新聞が最近発表した記事「出生率、西高東低が鮮明」によれば、我々が対策の視点を変えるべき時が来ているかもしれません。
出生率、西高東低
2022年の全国平均の合計特殊出生率は1.26で、これは2005年と並んで過去最低を記録しました。
この数字は、一人の女性が生涯に産む子供の数を示すもので、少子化問題の一つの指標となります。
しかしながら、この数字だけで全体像を見てしまうと、実は27の都府県で出生率が上昇したことが見落とされてしまいます。
特に、徳島県や鳥取県では出生率が顕著に上昇しました。
その背後には、出産後の復職支援や働きながら子育てがしやすい環境を整えるという地域特有の取り組みが見えます。
一方、鹿児島、宮崎、島根、長崎の出生率は1.6を超え、これは欧州スウェーデンと同等の数値です。
更に驚くべきは、沖縄県ではフランス並みの1.8という高い出生率を維持しているのです。
東京や宮城、北海道などでは出生率が1.2以下
一方で、東京や宮城、北海道などでは出生率が1.2以下と、韓国やシンガポールと同じように低い数値が見られます。
これらの地域差を踏まえると、全国一律に出生率向上策を施すのではなく、出生率の改善に成功した地域を中心に取り組むことがより有効であることが見えてきます。
出生率が1.6以上の地域、特に沖縄県においては、更なる出生率の向上を目指すべく、さらなる資金投入が必要となるでしょう。
地域の特性を理解し対策を
この視点から見ると、日本全体で一気に出生率の問題を解決しようとするのではなく、それぞれの地域の特性を理解し、対策を練ることが求められます。
各都道府県が自身の状況を踏まえて具体的な行動を起こすことが、少子化問題への新たな一歩となるでしょう。
少子化問題が深刻化する中、解決への一縷の希望を見つけることができたことは、大いに前進です。
全国的な視点から地域ごとの視点へと焦点を移すことで、我々は新たな解決策を見つけることができるでしょう。
まとめ
日本全体の出生率が低下している一方で、地域によっては出生率が向上していることが明らかになりました。
特に、徳島県や鳥取県、鹿児島、宮崎、島根、長崎、そして沖縄県などでは高い出生率を示しています。
これらの事例は、全国一律の対策よりも、地域特性を理解し、それぞれに適した対策を講じることが効果的な少子化対策になり得ることを示しています。
そのため、各地域が独自の状況を把握し、具体的な行動を起こすことが求められます。
この地域ごとの視点のシフトが、我々の少子化問題への新たなアプローチとなり得ます。
