本格的にヘアカラーリングをする前に、その土台となる髪の毛に関しても、少し知っておきたいことがあります。
それは、髪の毛の色です。
カラーリングをする上で、その基盤となる元々の髪の毛の色は、非常に重要な意味を持ちます。
ただ、日本人の場合は総じて黒髪がベースです。
その点に関しては問題ない…かというと、そういうわけにはいきません。
白髪の存在が、どうしても引っかかってきます。
元々、ヘアカラーリングというものは白髪を隠すという需要が圧倒的でした。
その後、髪の毛の色を変えるという概念が社会通念になったため、黒髪を染める人が増えましたが、当初は白髪を染める人の方が圧倒的に多く、ノウハウとしては白髪染めの方が先に発展していました。
そんな白髪と黒髪のヘアカラーリングは、ベースとなる髪の毛の色が全く異なるため、同一視はできません。
つまり、黒髪用のヘアカラーリング剤で白髪を染めたり、白髪染めで黒髪を染めたりすることはできない、ということです。
実際にこれをしてみると、仕上がりの違いに驚くでしょう。
黒髪用、白髪用と、ヘアカラーリング剤が分かれているのは、ベースとなる色が違うために染料自体も異なっているからです。
よって、いくら同じ茶髪にしたいという目的があっても、黒髪用と白髪用では成分、染料そのものが別物なので、家族間で使い回しをしたりはできません。
黒髪には黒髪用の、白髪には白髪用の染め方というのがあるので、それぞれに覚えておくと良いでしょう。
白髪を綺麗に染めるには
白髪を染める場合は、基本的には白髪染めや、白髪用のヘアカラーリング剤を用います。
白髪というのは、その名の通り白い髪の毛で、メラノサイトの働きが老化などの理由で悪くなり、メラニン色素が毛髪内に取り込めなくなった場合に生える髪の毛です。
つまり、色素が存在しない髪の毛、ということですね。
それが何を意味するのかというと、非常に染めやすい髪の毛である、ということです。
ただ、それには条件があります。
柔らかい髪の毛の場合は、非常に染めやすいという性質があります。
一方、硬毛と呼ばれる、硬い髪の毛の場合は、実は白髪だと染めにくくなります。
この点は注意が必要です。
白髪を染める場合は、白髪をナチュラルに隠すという目的の他、全体的に色合いを整えて、雰囲気を変えたいと考えている人も多数いることでしょう。
たとえば、年配の方がよく紫色に髪の毛を染めているのを見かけますね。
あれは、単純に紫が好きだから、という理由だけではないようです。
白髪は、黄色味を帯びる傾向があり、紫はその黄色を打ち消す補色に該当すると言われていて、その黄色を消すために紫が推奨されているのです。
こういった合理的なヘアカラーリングをすることで、より美しく、あるいはより清潔感のある雰囲気を実現することができるのです。
白髪を染める場合、どうしても濃く、色の強さでごまかしたくなるものですが、実際にはそういったことをする必要はありません。
白髪には白髪の染め方があり、それを守れば、非常に綺麗に染め上げることができるのです。
黒髪を綺麗に染めるには
白髪とは違い、黒髪はメラニン色素がしっかりと毛髪内に詰まっています。
なにより、黒という色は非常に主張が強く、染める上では難しい色とされています。
実際、絵の具で試してみると、よくわかります。
白の絵の具に別の色の絵の具を使ってみると、その色が薄くなったり、白味がかったりしますが、十分にその色は残ります。
ですが、黒に別の色を混ぜても、ほとんど黒のままです。
それくらい、黒という色は他の色と比較して強いのです。
とはいえ、髪の毛と絵の具は違います。
黒髪をヘアカラーで染める場合は、メラニン色素の脱色を行い、黒の要素をある程度薄めた後に、染色を行います。
そのため、正確には「茶髪を染める」という感覚で、黒髪のヘアカラーリングは行われるのです。
黒髪を染める場合も、白髪同様、軟毛の方が染めやすい傾向にあります。
ただし、軟毛であればどんな色でも良いかというと、そうではありません。
黄味系の色は染めやすい一方で、赤味系の色は色持ちが悪い傾向が見受けられます。
一方、硬髪の場合は、黄味系は馴染みにくく、赤味系は仕上がりが綺麗になります。
同じ黒髪でも、髪質によって染めやすい色合いが変わってくるのです。
では、軟毛でも硬毛でもない、普通の髪の毛の場合はどうなのかというと、特に問題なく染められます。
メーカー提示の基本色がそのまま出るので、イメージがしやすく、一番染めやすいといえるかもしれません。
これは黒髪だけでなく、白髪にも同じことがいえます。