元々、日本人の中に「髪の毛を染める」という価値観は、ほとんどありませんでした。
最初にこれが一般庶民の間に生まれたのは、恐らく「白髪染め」ではないでしょうか。
人間、年老いていくと、髪の毛の色素がなくなり、白髪になってきます。
若年性の白髪もあるので、必ずしも老いで生まれる現象ではありませんが、白髪が出てくると、老いたと思われるのが一般的な認識ですよね。
その白髪を隠すために、地毛の黒に近い形に染めるというのが、ヘアカラーリングの原点と思われます。
ただその後、ファッションというものが一般人の間に浸透すると共に、髪の毛の色もその範疇に含まれるようになります。
当初は、「不良」や「行き過ぎている人」が髪を染めるという認識でしたが、それは時代の流れと共に徐々に変化し、今ではほとんどの人がヘアカラーリングを経験しています。
髪の毛を染める目的は、徐々に幅広くなっているのです。
そんな中、近年かなり多くなってきているのが、「自己啓発」のためのヘアカラーリングです。
イメージチェンジしたいという狙いで髪の毛の色を変える「おしゃれ染め」をする人が、世代を問わずかなり増えています。
髪の毛の色は、ある意味自分自身の象徴です。
外見の中で最も大きな印象を与える部分なので、ここを変えるということは、自分の外見を大きく様変わりさせるという意味があります。
基本的には、白髪染めも含め「自己プロデュース」的な意味合いが強いヘアカラーリングですが、その一環として、逆に「黒く染め直す」というケースもあります。
就職活動や長期休暇明けの頭髪チェック対策などの場合によく見られるカラーリングですね。
髪の毛を染めるメリット・デメリット
髪の毛の色を変えることは、よくも悪くも大きくその人の印象を変えます。
それまでずっと地毛の黒髪だった人が、突然その髪の毛の色を変えた場合、周囲の見る目は大きく変わります。
あか抜けたという印象を持たれるケースもあれば、ケバケバしくなったと思われるケースもあるでしょう。
いずれにせよ、イメージが大きく変わることは確かです。
そういう意味では、自分を変えたい、変わったと思われたいという人にとっては、大きなメリットといえます。
また、自分自身のメンタルな部分も、ヘアカラーリングによって大きく変わります。
髪の毛の色というのは、ある意味自分の中の「象徴」です。
地毛のままであれば、どこか保守的な印象を持たれ、それが自分にフィードバックし、内向的な性格になることがよくあります。
そのため、ヘアカラーリングによって髪の毛の色を変えることは、自分自身の内面を変えることにもつながります。
失恋等で気分転換を図りたい時、上京して心機一転を図りたい時等には、とても有効な手段となるでしょう。
一方、デメリットも少なからず存在します。
それは、ヘアダメージです。
髪の毛を染めるということは、髪に何らかの塗料を長時間つけるということです。
特に、ケミカルの塗料の場合は、髪の毛、頭皮にダメージを与えることになります。
場合によっては、髪の毛が痩せたり、抜け毛の原因となったりすることもあるので、注意が必要です。
ただ、近年はケミカルに頼らない、自然にある天然素材を利用した商品も増えています。
「利尻ヘアカラー」等がその最たる例です。
健康面を重要視する場合は、こういったナチュラルヘアカラーを選ぶと良いでしょう。